言葉が話せないハムスターからのサインを見逃さないようにしましょう
動物は言葉を話して体の不調や痛みなどを訴えることはできません。そのため、飼い主様が常日頃から注意して、動物からのSOSのサインを見逃さないようにすることが大切です。ハムスターは病気や怪我などを隠そうとする習性があるため、注意して観察することが大切です。
また、皮膚病にかかりやすい動物なので、床材をこまめに交換するなど、飼育環境を清潔に保つようにしましょう。ハムスターの体や行動などで、少しでも「おかしいな」と思われるところがありましたら、尼崎市のとも動物病院までご連絡ください。早めの判断が、大切なご家族の健康を守ることに繋がります。
こんな症状はありませんか?
- 食欲不振
- 元気がない
- 脱毛
- 発疹
- 体を痒がっている
- 体重減少
- 下痢
- 目が炎症を起こしている
- 陰部からの出血
- くしゃみ
- 鼻水
など
ハムスターがかかりやすい病気
皮膚病
ハムスターは皮膚病にかかりやすい動物で、脱毛、痒み、赤い発疹、フケ、かさぶたなどの症状が現れます。原因は多様で、不衛生な飼育環境による細菌感染、ダニなどの寄生虫の寄生、アレルギーなどがあります。ハムスターの皮膚病の中には人に感染するものもありますので、注意が必要です。
結膜炎
結膜炎にかかると、目やにや涙が大量に出て目が開かなくなったり、結膜が赤くなったり、瞼が腫れたりします。結膜炎の主な原因は、ゴミ・ホコリが入った時に何度も目を擦ることによる炎症で、そのほか、毛づくろいの時に目のまわりを傷つけることでも起こる場合があります。
結膜炎を予防するためには、ゴミ・ホコリが目に入らないようにすることが大切ですので、飼育環境を清潔に保つようにしましょう。結膜炎にかかった場合には、点眼薬を投与するほか、重度の炎症に対しては抗生物質を投与するなどの治療を行います。
麦粒腫
麦粒腫とは人間でいう「ものもらい」のことで、睫毛の根元が細菌に感染することで発症します。瞼に白い膿瘍ができるほか、目やにや涙が大量に出て目が開かなくなったりします。麦粒腫に対しては、点眼薬を投与するなどの治療を行います。結膜炎を併発することもあるので、放置せずに早期に治療を受けるようにしましょう。
不正咬合
先天的な要因や、ケージの金網をかじるなどの癖が原因で、噛み合わせが悪くなる病気です。硬いものが食べられなくなるため、食事量が落ちて体重が減少したり、口を閉じられなくなって、口から出血したりすることがあります。不正咬合に対しては、噛み合わせの悪い歯を短く切りそろえるなどの治療を行います。
腫瘍
ハムスターは腫瘍ができやすい動物で、体内にできた場合には早期に発見できないこともあります。臓器にできた場合には、その部分に異常が生じて発見されることもあります。1歳以降の高齢になると免疫力が低下するため、頻発することになります。完治させるためには、手術などの外科的治療で腫瘍を摘出するしかありませんので、しこりなどの異常を見つけた時にはすぐに当院までご連絡ください。
子宮蓄膿症
1歳以降の高齢になると免疫力が低下するため、子宮蓄膿症が頻発することがあります。子宮蓄膿症にかかると、生殖器から血が出たり、白い膿が出たりします。そのほか、生殖器や腰まわりの左右対称の脱毛、腹部の膨張などの症状が起こることもあります。出血が認められた時点で病状が進行している可能性が高いので、すぐに当院で治療を受けるようにしてください。
ストレス性脱毛
ハムスターの脱毛の原因の多くは、ストレスによるものです。ハムスターに触り過ぎたり、飼育環境が不衛生だったりすると、後ろ足で前足の付け根や脇腹、耳の後ろなどを引っ掻いて部分的に毛が抜けてしまうことがあります。ストレス性脱毛を防ぐためには、できるだけハムスターにストレスを与えないように飼育環境を整えることが大切です。
外傷・骨折
ハムスターは縄張り意識の強い動物ですので、複数のハムスターを1つのケージで飼っていると、喧嘩をして怪我をすることがあります。そのほか、ケージの金網に足を引っかけて骨折することもあります。外傷や骨折を防ぐために、基本的には単独で、怪我の少ない水槽ケージで飼育するようにしましょう。
低体温症
急激な温度変化により、体温が下がって、呼吸も弱くゆっくりとなった状態です。「模擬冬眠」とも呼ばれます。一般的に室温が5~10℃以下になると発症するとされていますが、10℃以上温度が急激に下がった時にも同様の症状が起こる場合があります。
低体温症になったら、タオルでくるんだり、間接的にカイロで温めたりするなどして、ゆっくりと体温を上げます。急激に温めると心臓などに負担がかかる危険性がありますのでご注意ください。